メルクのモルヌピラビル、ファイザーのパクスロビド。
新型コロナウイルスの経口治療薬が海外で開発がかなり進んできています。
メルクはイギリスで承認。ファイザーは早ければ年内には投与が始まる可能性があると報道されています。
新型コロナウイルスのワクチン接種が進み、世界中で罹患者がかなり減ってきています。
本記事を執筆(2021年11月)時点で、日本全国での1日の感染者数も約150人。
2021年11月7日にはついに死者は0人になりました。
メルクやファイザーの新薬が
特効薬になってほしい
特効薬ができさえすれば、新型コロナウイルスが流行する前の日常に戻ることでしょう。
本記事ではメルクやファイザーの新型コロナウイルスの経口治療薬について、現役看護師の僕ができるだけわかりやすく解説しています。
まだまだ情報が乏しい現状ですが、最新ニュースをまとめて、簡単に要約しています。
これはたくさんの人に知ってもらいたい内容。だからこそ渾身の力を込めて執筆しました。
ぜひ最後まで読んでみて下さい。
新型コロナの経口治療薬 どんな効果?
メルクのモルヌピラビル、ファイザーのパクスロビド。
この2社が開発している内服薬が今一番実用化に近いものです。
それぞれの内服薬の現状発表されている情報をまとめたのでご覧ください。
モルヌピラビル:メルク社
新型コロナウイルスの細胞増殖を抑える
重症化を予防
治療は発症後1日2回、5日間の内服が必要です。
メルク社はリッジバック・バイオセラピューティクス社と共同開発しており、治験データを公開しています。
新型コロナウイルス感染者の計775人に対して治験を行っています。
385人がモルヌピラビル内服、377人がプラセボ薬を内服した状態でのデータです。
パクスロビド ファイザー社
ウイルスの増殖に必要な酵素を阻害
細胞増殖を抑えて重症化を予防
パクスロビドはウイルスの増殖に必要な酵素を阻害するように設計されています。新型コロナウイルスの細胞増殖を抑える効果があり、感染をしたとしても重症化を予防する効果があります。
治療は発症後1日2回、5日間で計30錠の内服が必要になります。
ファイザー社も治験の結果を公開しています。
治験は新型コロナウイルスに感染したハイリスク患者1219人を対象にしています。
こちらもプラセボ薬群とパクスロビド投与群に分かれていますが、詳細人数は不明です。
新型コロナの経口治療薬 開発の進捗状況は?
各国の開発状況はどのようになっているか、まとめてみました。
アメリカのメルク社
モルヌピラビルを開発し臨床試験中。
イギリスでは使用の承認が下りており、これが世界初になっています。
日本もモルヌピラビルの供給の契約を結んでいます。
アメリカのファイザー社
パクスロビドを開発し臨床試験中。
アメリカでは米食品医薬品局(FDA)にデータ提出しており早ければ年内に投与開始予定となっています。
日本の塩野義製薬
塩野義製薬は北海道大学と共同で開発を進めている段階です。
「S-217622」という名称で9月末から最終段階の治験開始しています。
ウイルス増殖酵素阻害することで、新型コロナウイルスの増殖を抑制する効果が期待されている薬剤です。
安全性上の大きな問題は認められておらず、薬物動態についても目標を上回る良好な結果が確認されています。
2021年度中に日本での承認申請目標を設定しており、2022年3月までに100万人分を生産する計画となっています。
課題① 薬価が高い
現状、どこの内服薬も5日間1クールの内服治療費が700ドル程度と言われています。
日本円で約8万円ほどでしょうか。3割負担が利いたとしても高額です。
課題② 予防効果は?
発症してから内服する薬剤であるため、予防効果は不明です。
現在、臨床試験が進められている段階です。
新型コロナの経口治療薬 考えられる副作用は?
治験の結果だけを見ると今のところ副作用の発表はされていません。
内服薬は必ず腎臓や肝臓などで代謝をして薬効が現れます。
つまり腎臓や肝臓に負担をかけることで腎機能障害や肝機能障害を引き起こす可能性が十分あります。
新しい薬だから出る副作用ではなく、現行使用されている薬のほとんどにこれらの副作用は生じる可能性があります。
特別怖がる必要はないでしょう。
しかし、これから新しい薬が世の中に出回り、投与する患者さんの母数が増えることで、治験では確認できなかった副作用が報告されるケースがあります。
重要な副作用ならば使用が中止されますし、副作用が出たとしても治療可能である場合は使用続行になることが予想されます。
これからの使用状況と発表されるニュースに注目です。
まとめ
では最後にまとめます。
今までは新型コロナウイルスの治療においてレムデシベルや「抗体カクテル療法」が使われていました。
しかしこれらは点滴での治療。治療するためには入院することが必須でした。
これから新型コロナウイルスの重症化を予防する内服薬の開発が順調に進むことが予想されます。
内服が出回るメリットは自宅療養が増えるため、医療機関のひっ迫を軽減することができます。
インフルエンザも過去には猛威を振るっていた病気でしたが、今では病院で迅速に診断できて特効薬が存在します。
それと同様に新型コロナウイルスも少しずつ我々と共存していくことができるといいですよね。
インフルエンザとの決定的な違いが1つあります。
それは新型コロナウイルスは自宅でも感染の有無の判定を高感度でできることです。
市販の検査キットを使って、精度99%という高い判定をすることができます。
当院でも全職員へ配布されたものです。
アフターコロナに向けて、ご家庭で家族分用意しておけるといいかもしれませんね。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました
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