医療者のコロナウイルスワクチン接種がほぼ完了しました。
そんな中で「ワクハラ」という言葉が今注目されています。
本記事では、看護師として大学病院で働いている僕が、看護師達が思うコロナウイルスワクチンに対しての率直な意見や現場での「ワクハラ」がどのように存在するのかをお話しします。
地域や職場によって働いている医療従事者のワクチンに対しての価値観の違いというものが存在するので、あくまでも「僕の周り」の一意見であることは忘れないで下さいね。
「ワクハラ」とは?
「ワクハラ」とは「ワクチンハラスメント」を略した言葉です。
コロナウイルスのワクチン接種は任意です。そのような状況下であるのにも関わらず
- ワクチン接種を強制される
- ワクチン接種をしていない人がウイルスのような扱いをされる
- ワクチン接種をしない選択肢をすることで上司と度重なる面談
このような扱いをされることです。
それだけでなく、「ワクハラ」によるストレスで退職に追い込まれる方もたくさんいらっしゃるようです。しかし、再就職に当たっても「ワクチン接種が条件」であるなど、ここでも「ワクハラ」に悩まされるようです。
どのような発言が「ワクハラ」なのか?
「ワクチン打った?」
こんな会話が日常茶飯事でした。
その会話自体が「ワクハラ」になる可能性があります。
今の時代、少しでも不快に思ったりストレスを感じるような事柄はなんでも「ハラスメント」とまとめられてしまう世の中です。
ワクチン否定派の方々は
- ワクチンの安全性がない
- 確証がない
- 副反応は嫌
- 倦怠感などが心配
このような考えを持っているようです。
筑波大学の研究ではワクチン接種に前向きな20代は3割程度しかいなかったそうです。
その年代は各種「ハラスメント」に敏感であるのかもしれません。
だからこそ、ワクチンに関しての意見を言われたときに嫌な思いをするのでしょう。
僕らがワクチン接種をした時、2回目の接種後は発熱・倦怠感がほとんどの方に出ることが知っているのにも関わらず、翌日の出勤が余儀なくされていました。発熱していても「カロナールを飲んで」と。これも一種の「ワクハラ」ですか?
「ワクハラ」を受けた時の対応は?精神的影響を受け退職者も続出!
先日もこのようなニュースが出ていました。
任意のはずが…医療現場の“ワクハラ”実態 病院退職を決断した看護師の告白「“あり得ない”という圧を感じた」
ニュースで取り上げられた看護師さんのように退職して、再就職が難しい…そんな方もたくさんいらっしゃるのでしょう。
僕たち看護師も新しく作られたコロナウイルスのワクチンの安全性については心配な部分はあります。ですが、それ以上にコロナウイルスへの感染が怖い状況でした。
たくさんの方が亡くなる現状、そして僕たちがその媒介になる可能性。
色々な恐怖がありました。
でも、ワクチンの安全性についての不安を捨てきれずに接種しない選択を取られる方がいても不思議ではないですよね。
- 「ワクハラ」と感じた本人が「不快」と言葉に出して伝達する
- 「ワクハラ」の相談窓口作成
コロナウイルスやワクチン接種に敏感な今の時期は色々な意味でストレスフルな世の中かもしれませんね。
「ワクハラ」を減らすための対策は?
僕は「ワクハラ」を減らすための対策として2つ意見があります。
- 安心してワクチン接種を受けられる環境づくり
- ワクチン接種証明書の廃止
それぞれについて考えてみます。
安心してワクチン接種を受けられる環境づくり
先述したように、医療従事者でもワクチン否定派の方々の意見としては
- 安全性の未確立
- 副作用への恐怖
これがメインなのだと思います。
僕個人としてはワクチン肯定派です。特に医療従事者は進んで接種するべきだと思います。
自分だけでなく患者さん、その家族を守るためです。
医療従事者の中で最も患者さんと接する時間が長いのが看護師。
だからこそ、ワクチン接種をオススメしたい。
ですが、「安全性がある程度確立されてから接種する」という選択肢を作るのも大切だと思います。
また、副反応に対して「カロナール」が特効薬です。ワクチン接種後には「カロナール」もしくは「アセトアミノフェン」を含んだ市販薬の配布があると、ワクチン接種は進みやすくなるんだろうなと感じています。
ワクチン接種証明書の廃止
ワクチンを接種が終了した方へ、ワクチンの製造番号のシールを張り付けた用紙が配布されます。
「ワクチン接種証明書」です。これの提出を義務付ける企業や病院も出てくるかもしれません。
この証明書の存在すら「ワクハラ」ではないでしょうか?
まとめ
「ワクハラ」という言葉が注目を浴びています。
ですが、コロナウイルスを収束させて、日常を取り戻すためには、今ワクチンの接種を進めていかなければいけない。
任意ではありますが、ワクチン否定派に対して風当たりが強い世の中であるのは、それだけコロナウイルスを危険視されている方が多い表れだと思います。
インフルエンザと同様、いつか単純な対策だけで凌げる世の中は訪れるはず。
本記事を読んでいる方の中にもワクチン否定派の方がいらっしゃるでしょう。
「接種しない」選択肢を否定するつもりはないので、「接種する」選択肢も否定しないで下さい。
そうやっていつか、インフルエンザ対策と同様にワクチン接種する人としない人が共生できる世の中が来るのを祈っています。
最後まで読んでいただき
ありがとうございました
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