【看護師監修】新型コロナウイルス抗原検査キットの基本を解説　－選び方・買い方・使い方・陽性時の対応－

こんな疑問に答えていきます。

～本記事を読むとわかること～
✅正しい抗原検査キットの選び方
✅抗原検査キットの入手方法
✅抗原検査キットの使い方
✅陽性判定時の対応

新型コロナウイルスの感染が爆発的に拡大している状況。そして発熱や喉の痛みなど疑わしい症状が出てしまっても、発熱外来が受け入れてくれなかったり、保健所への連絡がつかなかったり…。常に不安が付きまとっていませんか？

そんな状況を危惧して、政府は新型コロナウイルスの抗原検査キットで、今まで出回っていたものよりも精度の高い『医療用』を市販で入手できるような対策を取りました。

本記事では、新型コロナウイルスの抗原検査キットの正しい選び方・正しい入手方法について、看護師のYuyaがまとめています。

常備しておきたい抗原検査キット。少しでも安心して生活するための備えとして、正しいアイテムを準備しておきましょう。

コロナ抗原検査キットの『医療用』と『研究用』の違い

現状、新型コロナ抗原検査キットは『医療用』と『研究用』が市場に出回っています。

『医療用』と『研究用』の違いは国の承認を得ているか、否かです。その承認が下りる基準の1つにキットを使用した検査精度があります。もちろん、『医療用』の抗原検査キットが国の承認が下りており、実際に医療現場で用いられています。

一方で『研究用』は精度が低いため、性能が保証されていません。そのため『研究用』検査キットは新型コロナウイルスの診断に用いることはできません。

ここで言う「精度」とは、

• 陽性の人を「陽性」と診断（感度）
• 陰性の人を「陰性」と診断（特異度）

する割合のことです。コロナに罹患した人を「陽性」と正しい診断をするのはもちろんのこと、罹患していない人を「陰性」と診断して、誤った結果を出さないことが大切になります。

新型コロナウイルスの確定診断はPCR検査で行っています。ですのでPCR検査との一致率も精度として大切な指標になっており、国から承認が下りている検査キットは、多くの臨床試験でデータを収集し、インターネット上で公開されています。

＜厚生労働省サイト＞
新型コロナウイルス感染症の体外診断用医薬品（検査キット）の承認情報
新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット（OTC）の承認情報

『医療用』新型コロナウイルス抗原検査キットの入手方法

現在、医療用の新型コロナウイルス抗原検査キットを入手する方法は「薬局での対面販売」・「大手医薬品通販サービス」の2つがあります。

対面販売の場合、薬剤師が配置されている大手のドラッグストアなどの場所で、決められた時間内で購入することが可能です。購入に際して薬剤師からの注意事項の説明と書類へのサイン、検査キットの使用方法の説明があるため、15分前後の時間が必要です。

薬剤師がいない時間帯には、ドラッグストアや薬局が営業していたとしても購入することができないのでご注意ください。

新型コロナウイルス抗原検査キットは1個1980円が大体の相場です。

対面販売での購入を希望される方は厚生労働省のHPで取り扱い薬局一覧を確認しましょう。
⇒医療用抗原検査キットの取扱薬局リスト ｜厚生労働省

大手薬剤通販サイトで購入する場合はWeb上やメールで薬剤師からの問診や承認が必要になります。日本で一番最初にネット販売を始めたのは日本調剤オンラインストアです。

こちらのサイトでの販売価格は検査5回分の抗原検査キットを7980円で販売されています。

日本調剤オンラインストアで購入する場合はWebで薬剤師の確認と承認が必要になるため、購入から自宅へ到着まで約1週間程度かかるのが難点です。購入の際は以下のフローチャートに従って購入手続きを踏んでいくことになります。

自宅に家族の分、新型コロナウイルス抗原検査キットを常備しておくのが理想です。

でも急に必要になった場合や5回分のキットもいらないと思う場合には薬局やドラッグストアでの購入が便利ですし、それ以外の方はネットでの購入が便利ですので、オススメします。

『医療用』新型コロナウイルス抗原検査キットの使用方法

市販されている『医療用』新型コロナウイルス抗原検査キットは

①鼻腔ぬぐい液での検査
②唾液での検査

これらの2種類になります。薬局やドラッグストアでの対面販売の場合は、どちらが希望か聞かれるので、自分のお好きな方を選ぶようにしましょう。小さな子供がいらっしゃる場合は、鼻腔に綿棒を入れる刺激を嫌がり、上手く検査ができない可能性があるので、唾液検査キットを選択すると良いかもしれません。

新型コロナウイルス抗原検査キット（鼻腔ぬぐい液）の使い方

2022年9月20日時点で厚生労働省から承認が下りている鼻腔ぬぐい液専用の抗原検査キットは4種類あります。そのうちの1つが(株)マルコムから販売されている、上記画像の検査キットです。

鼻腔ぬぐい液専用の抗原検査キットの使い方は、どの製品も基本的には同じなので、本記事では(株)マルコムの製品で説明します。

検査キットの箱の中には添付文章が入っています。また購入時に薬局やドラッグストアの薬剤師からパンフレットを使用した口頭説明があるので安心です。

基本的には上記の画像の様に

①スワブ（綿棒）を鼻腔に2cmほど挿入
②5回転させて後、5秒静止
③スワブをチューブに入れて5回転（擦りつける）
④チューブにキャップをして3滴検査キットに滴下
⑤15分ｰ30分放置して結果を待つ

太字でマークしたポイントを押さえれば簡単に検査することができます。

もし不安があれば、一度普通の綿棒を使ったりして練習してみてもいいかもしれません。ただし、その場合は練習した鼻腔と反対を使って検査をするようにしましょう。

新型コロナウイルス抗原検査キット（唾液）の使い方

2022年9月20日時点で国から承認が下りている『唾液』タイプの抗原検査キットは興和株式会社から販売されている、こちらの検査キットのみです。

唾液での検査キットの特徴は侵襲性が低いため、子供や高齢者にも安心して使用できる点です。さらに精度も鼻腔ぬぐい液と比較しても同程度です。

このキットを利用する際の最大の注意点は『検査の30分前から飲食・喫煙・歯磨き・口腔洗浄を避ける』事です。正しく結果を検出するために注意しましょう。では簡単に使い方を説明します。

①チューブの準備（抽出液を全て入れる）
②唾液で綿棒を湿らせる
※舌の先端を上あごに付けて、舌の下に唾液を溜めた状態で最低40秒間、綿棒を浸して、5回転させる
③唾液で湿らせた綿棒を①で準備したチューブの中に入れ、10回ほど擦り付けながら回転させる
④検査キットに3滴滴下する
⑤15分放置して結果を待つ

特に②が大切です。実際に検査をする前に、舌の下に唾液を溜める練習をしてみましょう。

『医療用』新型コロナウイルス抗原検査キットで陽性の場合の対応

『医療用』新型コロナウイルス抗原検査キットを使用して、正しい方法で検査して陽性が出てしまった場合は、感染してしまっている可能性が濃厚です。（現在の抗原検査キットとPCR検査の結果はほとんどの確率で一致します）

その場合は都道府県ごとに対応が変わってきます。ご自身の住民票の住所がある、都道府県のHPを確認の上、内容に従って対応をしてください。感染拡大防止のため、くれぐれも保健所の指示なしに外出することは控えるようにお願いします。

各都道府県の対応が掲載されている公式HPを以下に掲載しているので参考にしてみて下さい。

医療機関ひっ迫を避けるために、各都道府県・市町村でオンライン上での対応の整備が進んでいます。発熱などの症状が出ると、不安があると思います。体調が悪い中、とても大変だと思いますが、まずはご自身がお住まいの地域のHPを確認し、然るべき機関への連絡をお願いします。

まとめ：『医療用』の新型コロナウイルス抗原検査キットを常備が大切

改めて、新型コロナウイルスの抗原検査キットの『医療用』と『研究用』の違いについての表を掲載しました。

薬局やドラッグストア、ネット通販で『医療用』抗原検査キットを販売し始めたのは、医療機関のひっ迫を避けるためです。

簡単に手に入る『研究用』と比較して、『医療用』の抗原検査キットは購入ルートが制限されているだけでなく、値段も3倍ほど高いです。ですがその分、検査精度が高く、信頼性が高いキットです。

自分のため、そして大切な人を感染から守るために、『医療用』の抗原検査キットを自宅に常備しておきましょう。